【ダイソー・セリア】100均転写シールとの3年半 – 不器用な私が手に入れた小さな創造力

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100均転写シールとの3年半 - 不器用な私が手に入れた小さな創造力
目次

手作りとは無縁だった過去

圧倒的な不器用さ

小学校の図工の時間は、私にとって苦痛以外の何物でもなかった。絵を描けば「何を描いているかわからない」と言われ、工作をすれば接着剤でべとべとになり、最終的には先生に手伝ってもらって完成させるという有様だった。

中学校の美術の時間も同様で、クラスメイトが美しい作品を次々と完成させる中、私だけがいつも未完成の作品を前に途方に暮れていた。成績は常に「2」か「3」で、「芸術的センスが皆無」と自分で諦めていた。

手作りプレゼントへのコンプレックス

友人の誕生日や母の日などに、手作りのプレゼントを渡している人を見ると、心の底から羨ましいと思った。しかし、自分が何かを作ろうとすると必ず失敗し、結局は既製品を購入することの繰り返しだった。

「手作り」という言葉に対して、憧れと同時に強いコンプレックスを持っていた。

DIYブームへの憧憬

SNSで見るおしゃれなDIY作品や、手作りのインテリア小物などを見るたびに「素敵だな」と思いながらも、「自分には絶対無理」と最初から諦めていた。

手芸店やホームセンターの手作りコーナーを見ても、「私には関係のない世界」だと思っていた。

偶然の出会い – セリアの文房具コーナーで

2020年秋のノート購入時

コロナ禍で在宅勤務が始まり、家で使うノートを購入しにセリアに行った時のことだった。文房具コーナーでノートを選んでいると、隣の棚に「転写シール」というものが陳列されているのが目に入った。

パッケージの魅力的なデザイン

転写シールのパッケージには、美しいアルファベットや花柄、幾何学模様などがデザインされており、まるで高級な文房具のような印象だった。「これが本当に100均商品?」と驚いた。

パッケージの裏面を見ると、「こするだけで簡単に転写できます」という説明があった。不器用な私でも「こするだけ」なら何とかなるかもしれないと思った。

軽い気持ちでの購入

「失敗しても110円だから」という気持ちで、アルファベットデザインの転写シールを1つ購入した。使う予定は特になかったが、「いつか使うかもしれない」という程度の軽い気持ちだった。

帰宅後の詳細確認

家に帰ってパッケージを詳しく見ると、使い方が非常にシンプルだった。①貼りたい場所にシールを置く、②付属のスティックでこする、③台紙を剥がす、の3ステップだけ。

「これなら私でもできそう」と初めて手作り系のアイテムに希望を持った。

初回チャレンジ – 恐る恐るの第一歩

練習用のノートで実験

最初は失敗してもいいように、使わなくなった古いノートで練習してみることにした。「COFFEE」という文字を転写してみることにした。

予想以上の簡単さ

実際にやってみると、驚くほど簡単だった。シールを置いて、付属のスティックで優しくこするだけで、美しい文字がノートに転写された。

「こんなに簡単でいいの?」と拍子抜けするほどだった。

仕上がりの美しさに感動

完成した文字を見て、心から感動した。まるでプロが手書きしたような美しい仕上がりで、「自分がこんなものを作れるなんて」と信じられなかった。

家族に見せると「すごい!どうやって作ったの?」と驚かれ、初めて手作りで人に褒められる体験をした。

成功体験がもたらした自信

この小さな成功体験が、私の中で大きな変化を生んだ。「もしかして、私にも手作りができるかもしれない」という希望が芽生えた。

使用範囲の急速な拡大

手帳のカスタマイズ

次に挑戦したのは、普段使っている手帳のカスタマイズだった。月名や曜日を転写シールでデコレーションしてみた。

シンプルだった手帳が、一気におしゃれで個性的なものに変身した。毎日手帳を開くのが楽しみになった。

プレゼントラッピングでの活用

友人の誕生日プレゼントのラッピングに転写シールを使ってみた。シンプルな包装紙に「Happy Birthday」の文字を転写しただけで、まるで専門店で包装してもらったような仕上がりになった。

友人からは「どこで包装してもらったの?手作り?すごい!」と大絶賛された。

スマホケースのデコレーション

無地のスマホケースに小さな花柄の転写シールを貼って、オリジナルのデザインを作った。市販のケースにはない、自分だけのデザインに愛着が湧いた。

文房具のカスタマイズ

ペンケース、定規、クリアファイルなど、身の回りの文房具に転写シールを貼って、すべてお揃いのデザインにした。「私だけの文房具セット」という特別感を味わった。

1年目 – 創作意欲の覚醒

転写シールのコレクション化

効果を実感するにつれて、様々なデザインの転写シールを買い集めるようになった。アルファベット、数字、花柄、動物、幾何学模様など、気がつくと30種類以上保有していた。

それでも総額3,300円程度で、手芸店で同等の材料を買うことを考えれば格安だった。

デザイン感覚の向上

様々なシールを使ううちに、色の組み合わせやバランス、レイアウトについて自然と学ぶようになった。最初は単純に貼っているだけだったが、次第に全体の調和を考えるようになった。

オリジナル作品への挑戦

転写シールを組み合わせて、オリジナルの作品を作るようになった。複数の文字シールを組み合わせて文章を作ったり、小さな柄シールを組み合わせて大きなデザインを作ったりした。

写真映えする作品作り

完成した作品をスマホで撮影してSNSに投稿するようになった。「#転写シール」「#100均DIY」などのハッシュタグを付けて投稿すると、予想以上の反響があった。

手作りへの偏見の消失

この頃には「手作り=難しい」という先入観が完全に消えていた。「適切な道具と方法があれば、不器用な人でも手作りを楽しめる」ということを実感した。

2年目 – 技術の向上と応用範囲の拡大

重ね貼り技術の習得

異なる色や柄の転写シールを重ねて貼ることで、より複雑で美しいデザインを作れることを発見した。例えば、文字の上に小さな星柄を重ねることで、キラキラした効果を演出できた。

グラデーション効果の発見

同系色のシールを段階的に配置することで、グラデーション効果を作れることがわかった。この技術により、作品の表現力が格段に向上した。

立体的な表現への挑戦

平面的だった作品から、重ね貼りを利用して立体感のある表現に挑戦するようになった。花びらを一枚ずつ重ねて本物の花のような効果を作ったり、文字に影を付けて浮き出て見えるような効果を作ったりした。

季節感のある作品作り

春には桜の柄、夏には海の柄、秋には紅葉の柄、冬には雪の結晶の柄というように、季節に合わせた作品を作るようになった。部屋の装飾も季節ごとに変更するようになった。

友人からの制作依頼

作品をSNSで見た友人から「私の分も作って」という依頼が来るようになった。最初は無料で作っていたが、材料費だけでもと思い、少しずつお金をもらうようになった。

周囲への影響と技術の伝播

職場での注目

カスタマイズした手帳や文房具を職場で使っていると、同僚から「それどこで買ったの?」「自分で作ったの?」と声をかけられることが増えた。

同僚への指導

興味を示した同僚何人かに、転写シールの使い方を教えた。「こんなに簡単だったなんて」「私にもできた」と喜ばれることが多く、教える喜びを知った。

家族の巻き込み

母親にも転写シールを紹介したところ、手帳のデコレーションにハマってしまった。親子で一緒に作品作りをする時間が増え、新しいコミュニケーションのきっかけに

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