【ダイソー・セリア】100均シール帳が綴った私の人生:小さな粘着力に込められた大きな思い出の30年間

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100均シール帳が綴った私の人生:小さな粘着力に込められた大きな思い出の30年間

私が人生で初めてシール帳を手にしたのは、幼稚園の年中組、5歳の時でした。母と一緒に近所の100円ショップに行った時のことです。当時はまだ「100均」という言葉も一般的ではなく、「百円ショップ」と呼んでいました。母は洗剤や文房具を買うために立ち寄ったのですが、私の目は文具コーナーの可愛らしいシール帳に釘付けになりました。

表紙にはピンク色の子猫が描かれていて、「My Sticker Book」という英語が金色で書かれていました。5歳の私には英語は読めませんでしたが、なんとなく特別なもののような気がしました。「これ、欲しい!」と母にせがむと、「100円だから買ってもいいよ」という返事。この時、100円という金額の手軽さが、私とシール帳の長い付き合いの始まりを決定づけました。

家に帰ってすぐ、そのシール帳を開いてみました。中には何も貼られていない真っ白なページが約20ページありました。「ここに何を貼ろうかな」とワクワクしながら考えていると、母が「まずはシールを集めないとね」と言いました。そこで気づいたのは、私にはシール帳はあるけれど、肝心のシールがほとんどないということでした。

運命的出会い: 計画性のない衝動的な購入から始まった趣味。

経済的ハードル: 100円という価格による購入の容易さ。

期待と現実: シール帳は持ったがシールがない現実への気づき。

母娘の絆: 母との買い物での共通体験の始まり。

目次

小学校低学年:シール収集の本格化

小学1年生になると、シールを手に入れる機会が格段に増えました。学校での「よく出来ました」シール、歯医者でもらえるキャラクターシール、お菓子のおまけシール、そして友達との交換シール。様々なルートでシールが手に入るようになり、私のシール帳は少しずつ賑やかになっていきました。

最初のシール帳が半分ほど埋まった時、また100円ショップで新しいシール帳を購入しました。今度は水色の表紙で、イルカの絵が描かれたものでした。「前のシール帳はまだ終わってないよ」と母に指摘されましたが、「違う種類のシールは違うシール帳に貼りたい」という私なりのルールができていました。

友達の間でもシール帳を持つ子が増え、休み時間にシール帳を見せ合うのが流行しました。「これは珍しいシールだよ」「これはお母さんが買ってくれた特別なシール」など、それぞれのシールにまつわるエピソードを語り合いました。シール帳は単なる収集道具ではなく、友達とのコミュニケーションツールになっていました。

収集システムの確立: 様々なルートからのシール収集方法の発見。

分類意識の芽生え: 種類別に分けて管理する組織化能力の発達。

社交性の発達: 友達とのシール帳を通じた交流の活発化。

ストーリー性の重視: 単なる収集から思い出の保存への意識変化。

小学校高学年:交換文化とレア度への目覚め

小学4年生頃から、クラスでのシール交換がより本格的になりました。「レアシール」という概念が生まれ、入手困難なシールには特別な価値が付くようになりました。私も友達も、普通のシールでは満足できなくなり、いかに珍しいシールを手に入れるかが重要になりました。

しかし、レアシールを求めて高価なシール集めに走る友達がいる中、私は100均シール帳という原点を忘れませんでした。確かにレアシールは魅力的でしたが、100円ショップで買えるシール帳に丁寧に貼られたシールたちには、それぞれに思い出がありました。友達が「安いシール帳だね」と言っても、私には愛着のある大切な宝物でした。

この時期、私は交換するシールとは別に、「絶対に手放さないシール」をシール帳に貼るようになりました。初めてもらったシール、特別な日にもらったシール、大好きだった担任の先生からもらったシールなど。100均シール帳は、私の小学生時代の大切な思い出を保存する場所になっていました。

価値観の多様化: レア度重視の友達と思い出重視の自分の違い。

原点回帰: 高価な商品に流されない100均への愛着。

選別意識: 交換用と保存用の明確な区別。

思い出の記録: シール帳の日記的機能の発見。

中学時代:一時的な離れとノスタルジア

中学生になると、周囲からは「シール集めなんて子供っぽい」という雰囲気が漂うようになりました。実際、多くの友達がシール帳から離れていき、私も「もうそろそろ卒業かな」と思うようになりました。中学1年生の夏休み前に、それまで集めてきたシール帳を押し入れの奥にしまい込みました。

しかし、完全にシールから離れることはできませんでした。文房具店で可愛いシールを見つけると、つい手に取ってしまう自分がいました。「もうシール帳はやってないから」と自分に言い聞かせながらも、心のどこかでシールへの愛着は残っていました。

中学2年生の冬、大掃除で押し入れからシール帳が出てきた時、母と一緒に見返しました。「懐かしいね、こんなに集めてたのね」と母が言いながら、一枚一枚のシールを眺めていると、その時の記憶が蘇ってきました。友達との交換の思い出、特別な日の記念、先生からのご褒美。シール帳は私の幼少期の貴重な記録になっていました。

社会的圧力: 年齢に応じた趣味の変化への同調圧力。

潜在的愛着: 表面的には離れても残る内面的な愛情。

再発見の価値: 時間を置いて見直すことで気づく真の価値。

記録性の認識: 単なる収集から人生記録としての意味の理解。

高校時代:友達との絆を深める道具として復活

高校1年生の時、同じクラスになった美咲ちゃんが、筆箱からシールを取り出してノートに貼っているのを見ました。「え、まだシール使ってるの?」と驚いて聞くと、「可愛いから好きなの。変かな?」と少し恥ずかしそうに答えました。その瞬間、私は「全然変じゃない!私も好きだった!」と答えていました。

それがきっかけで、美咲ちゃんと一緒に100円ショップにシール帳を買いに行くことになりました。久しぶりに手にするシール帳は、小学生の時よりもデザインが洗練されていて、大人っぽい雰囲気もありました。「今度は恥ずかしがらずに楽しもう」と美咲ちゃんと約束しました。

高校生の私たちのシール帳は、小学生の時とは使い方が異なっていました。勉強のモチベーション管理に使ったり、友達との写真と一緒にシールを貼ったり、より実用的で記録的な使い方をしていました。美咲ちゃんとは「シール帳友達」として特別な絆で結ばれ、一緒にシール帳を見ながら将来の夢を語り合うこともありました。

趣味の再開: 同好の士との出会いによる趣味の復活。

恥じらいからの解放: 他人の目を気にしない自分らしさの確立。

用途の進化: 年齢に応じた新しい活用方法の発見。

友情の深化: 共通の趣味を通じた深い友人関係の構築。

大学時代:ストレス解消とセルフケアのツール

大学に入学して一人暮らしを始めると、シール帳は私にとって新たな意味を持つようになりました。慣れない環境と人間関係の中で、時々無性に懐かしいものが恋しくなることがありました。そんな時、100円ショップで新しいシール帳を買って、ゆっくりとシールを貼る時間が心の癒しになりました。

大学のサークル活動や勉強で忙しい毎日の中で、シール帳は私だけの静かな時間を作ってくれました。図書館での勉強の合間、カフェでの一人時間、寮の自分の部屋で夜中に。シールを一枚一枚丁寧に選んで貼る行為は、瞑想のような効果がありました。

この時期から、私はシール帳を「今日の気分」を記録する日記として使うようになりました。楽しい日には明るいシール、悲しい日には落ち着いた色のシ

瞑想的効果: シール貼りの作業による心の静寂時間の確保。

日記機能: 気分や感情を視覚的に記録するツールとしての発展。

自立の象徴: 一人暮らしでの自分だけの時間と空間の確立。

ストレス管理: 大学生活のプレッシャーに対する健全な対処法。

就職活動期:不安と希望を貼り付けて

大学3年生後期から始まった就職活動は、人生で最もストレスフルな時期の一つでした。毎日のように企業説明会に参加し、エントリーシートを書き、面接練習をする日々。不採用通知が続くと、自分の価値や将来への不安で押しつぶされそうになることもありました。

そんな時期、私のシール帳は「就活記録帳」としての役割も果たしました。面接がうまくいった日には星のシールを貼り、落ち込んだ日には雲のシールを貼る。内定通知をもらった日には、特別に取っておいた金色のシールを貼りました。後から振り返ると、シール帳が就活期間の感情の波を視覚化してくれていました。

100円ショップで就活用の「勝負シール帳」を購入した時のことも忘れられません。表紙が桜の花柄で、「新しいスタートを切る」という意味を込めて選びました。友達に「まだシール帳使ってるの?」と驚かれましたが、「これが私のストレス解消法なの」と堂々と答えられるようになっていました。

感情の視覚化: 複雑な感情をシールで表現する独自システム。

記録としての価値: 人生の重要な時期の詳細な記録保存。

アイデンティティの確立: 他人の評価に左右されない自分らしさの確立。

象徴的意味: シール帳選びに込める個人的な願いと意味。

新社会人時代:仕事と趣味のバランス

念願の会社に就職し、社会人生活が始まりました。毎日遅くまで働き、週末も資格勉強に追われる中で、シール帳は私にとって「自分らしさを保つ」ための大切なツールになりました。どんなに忙しくても、週末に30分だけはシール帳の時間を作るように心がけました。

新人研修で知り合った同期の佳奈ちゃんに、私のシール帳のことを話すと、意外にも「素敵な趣味だね!」と言ってもらえました。「ストレス発散に高いお金を使わなくても、100円で買える小さな幸せがあるなんて羨ましい」という言葉に、改めてシール帳の価値を実感しました。

仕事で達成感を感じた日、上司に褒められた日、逆に失敗して落ち込んだ日。社会人としての様々な経験も、シール帳に記録していきました。一年後に振り返ると、新人時代の成長の軌跡がシールで描かれていて、自分でも驚くほど詳細な記録になっていました。

自分軸の維持: 忙しい社会生活の中での個性の保持。

価値観の共有: 理解してくれる人との出会いによる自信の向上。

成長記録: 職業人としての成長過程の視覚的記録。

継続力: 習慣化された趣味による心の安定の確保。

恋愛期:パートナーとの思い出作り

社会人2年目、職場の先輩の紹介で健太さんと知り合いました。付き合い始めて数ヶ月経った頃、私のシール帳のことを打ち明けました。「可愛い趣味だね」と受け入れてくれて、一緒に100円ショップにシールを買いに行ってくれることもありました。

健太さんとの初めての旅行の時、私は特別な「旅行シール帳」を用意しました。旅先で集めたご当地シール、入場券、写真と一緒に貼るデコレーションシール。帰宅後、一緒にシール帳を見ながら旅行の思い出を振り返る時間は、とても幸せでした。

健太さんも次第にシールの魅力を理解してくれて、私の誕生日には珍しいシールをプレゼントしてくれるようになりました。「君のシール帳を見ていると、君がどんな人かよく分かる」という言葉は、私にとって最高の褒め言葉でした。シール帳が、私たちの関係を深める共通の話題になっていました。

パートナーシップ: 恋人との共有体験としてのシール帳活用。

記念品化: 特別な思い出をより特別にする演出道具。

自己表現: シール帳を通じた自分らしさの表現とパートナーの理解。

贈り物文化: シールが持つ贈り物としての価値の発見。

結婚準備期:新しい家族の記録帳として

健太さんとの交際3年目、結婚を決めた時、私たちは「夫婦のシール帳」を作ることにしました。結婚式の準備過程、新居の家具選び、両親への挨拶など、結婚に向けての様々なイベントを記録する特別なシール帳です。もちろん、100円ショップで購入しました。

結婚式の準備は想像以上に大変でしたが、毎晩寝る前にその日の進捗をシールで記録する時間は、健太さんと二人でリラックスできる貴重な時間でした。「今日は会場の打ち合わせができたから、教会のシールを貼ろう」「ドレスが決まったから、ドレスのシールを貼ろう」という具合に、準備の達成感を視覚化していきました。

結婚式当日、親友の美咲ちゃんが「新婚さん用シール帳」をプレゼントしてくれました。高校時代に一緒にシール帳を再開した彼女からの、心のこもった贈り物でした。「これからも二人でシール帳を楽しんでね」というメッセージカードと一緒に。友情の継続と新しい人生のスタートが同時に感じられた、特別な瞬間でした。

共同作業: 夫婦での共同記録作成による絆の深化。

達成感の共有: プロジェクトの進捗を視覚化することの効果。

友情の継続: 長年の友人との思い出の継続と新しい門出への祝福。

人生の節目: 重要なライフイベントの記録方法としてのシール帳活用。

新婚生活:二人の生活リズム作り

結婚後、健太さんと私の新居でも、シール帳は重要な役割を果たしました。新しい生活リズムを作る中で、二人で決めた家事分担の達成度をシールで記録したり、休日の過ごし方をシールで振り返ったりしました。些細なことでも、シールを貼ることで「今日も一日頑張った」という達成感が得られました。

健太さんも次第にシール帳の魅力にはまっていきました。最初は「付き合ってくれている」程度でしたが、自分専用のシール帳を持つようになり、仕事の進捗管理や趣味の記録に活用し始めました。夫婦で100円ショップにシール帳を買いに行くことが、月に一度の楽しみになりました。

新婚1年目の結婚記念日に、お互いにシール帳をプレゼントし合うことにしました。私からは健太さんの好きな車のシールがたくさん入ったシール帳を、健太さんからは私の好きな花柄のシール帳をもらいました。「一生シール帳を楽しもうね」という約束も交わしました。

生活管理: 日常生活の管理ツールとしてのシール帳応用。

パートナーの巻き込み: 趣味の共有から共同実践への発展。

定期的習慣: 夫婦での買い物としてのシール帳購入の習慣化。

約束の象徴: 将来に向けた共通の趣味の継続への誓い。

妊娠期:新しい命への願いを込めて

結婚3年目、妊娠が分かった時、私は迷わず「マタニティシール帳」を作ることにしました。つわりで体調が優れない日々でも、お腹の赤ちゃんへの愛情をシールで表現することで、母親としての実感を深めていきました。体調の良い日は明るいシール、つわりの辛い日は優しい色のシールを選びました。

妊娠中期になって胎動を感じ始めると、赤ちゃんが元気に動いた日には特別なハートのシールを貼るようになりました。健太さんも一緒にお腹に手を当てて胎動を感じた時は、二人でシールを選んで貼りました。検診で順調だった日、性別が分かった日、名前を決めた日、それぞれに記念のシールを貼って記録しました。

産休に入ってからは、時間に余裕ができたので、今度生まれてくる赤ちゃんのための「ベビーシール帳」の準備も始めました。100円ショップでパステルカラーの可愛いシール帳を

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